平B(へいびー)式BIM導入法

 

■社内におけるBIM普及の課題(特に組織が大きい場合)
・Revitのテンプレートファイル、ファミリ、マニュアルは整備したが、
実際にRevitを使って作業をするのは外注業者であり、
社員はRevitを余り触っていない。

・社員のRevitの理解が浅いため、外注業者に適切な指示が出せていない。
また、出てきたRevitデータに対して適切な確認作業ができていない。
結果として、BIMの良さが引き出せていない。

・社員のBIMに対しての印象が良くなく、
BIMをコントロールできておらず、負担になっている。

・以前から、内部で設計する力、意欲が徐々に低下している懸念があるのだが、
BIM化がそれに拍車をかける傾向にあるのではないかと心配される。
(外注に頼る部分が増え、かつ設計成果物であるRevitの中身が把握できていない)

 

■BIMが普及しない理由
・社員がBIM(Revit)を学ぼうにも設計業務に追われて、学習時間が取れない。

・若手を中心に研修の場を設けているが、そこで学んだことが業務に生かせていない。

・管理職の人が、BIM(Revit)に対して好感を抱いていない。

 

■社内のBIM普及の対策案
「平B式BIM導入法」を提案します。

「平B式BIM導入法」とは、核となる「平B人」を一人つくる方法。

「平B人(へいびーにん)」とは、
今、平面図だけ欲しいという案件のときに、
2D_CAD(AutoCADやJW_CAD)とBIM(Revit)のどちらで作成しても良いと言われ、
2D_CADよりもBIMの方が、「早く」「思い通りに」「楽しく」作成できるから、
BIMで作成します! と迷わず言う人。

 

■具体的な流れ

1)BIM先陣部隊(3人)を結成
Aさん:今後のBIM普及の核となる人
・現設計部でプランを考え、まとめている人、設計部内でのチーフ・リーダー的な人。
・40代前後で設計経験豊富な人、人望もあり、影響力のある人。
Bさん:社員の中で最もRevitができる若手
Cさん:BIM推進室のメンバー

Aさんは、一定期間BIM推進室に異動になって頂いて100%BIMに専念する。
(期間の目安は半年間)
それが無理なら、BIM推進室に異動後、50%以下で設計業務を継続し、50%以上をBIMに当てる。
(期間の目安は1年間)

2)Aさんが「平B人」になるまで、集中的にBIM(Revit)を習得する。
方法はBIM先陣部隊(3人)で、Revitの難解な「仕組み」を徹底して学ぶ。
「仕組み」が分かってくると、ある時点で、
2D_CADよりもBIMの方が、「早く」「思い通りに」「楽しく」
平面図を作成できるのではないか、と思える瞬間が訪れます。
(「平B人」になった瞬間)
「Aさん」が「平B人」になったら、BIM先陣部隊は解散。

3)「平B人」になったAさんが実務に戻り、BIMの素晴らしさを体感して頂く。
(半年間~1年間)

4)Aさんにいわゆる広告塔になって頂いて、
社内講演会などを開き、社内全体にBIMを推し進める。

5)設計に関わる社員全員が「平B人」になったところで、
「平B式BIM導入法」は終了。(目標としては5年間)

 

■余談
・「平B式BIM導入法」の一番のポイントは、
今設計部で現役バリバリで活躍している誰がAさんとなって
BIM先陣部隊に入って頂くか、です。
そんな人が一時的でも設計から外れれば、会社としての損失、
施主に対しての迷惑になります。本人も不本意でしょう。

しかし、「通さぬは 通すがための 道普請」と言われますように
長い目で見れば、会社・施主・本人にとって、
あとで大きな利益となって必ず返ってきます。

ここは会社としての英断になるかと思います。

・「平B人」になると、なぜか建築(設計)が楽しくなってきます。
おそらく、単純作業が激減するので、結果として設計の楽しい部分が増えるからと思います。
建築に夢を抱いてこの世界に入ってこられた人が多いと思いますが、その夢を感じるようになります。
私としては、この効果がBIMの一番のメリットと感じます。
なので、BIMは「美夢」と言わずにおれないのです。

・このようなBIM(美夢)が普及すれば、日本の建築業界全体が活気に満ちてくるのではないでしょうか。

・そうなれば、低迷する日本経済全体にも光が差し込むことになると思います。

・和するを以って尊しとする日本が力をつけてくれば、世界に真の平和が訪れると確信します。

 

 

 

 

 

 

 

最後はとても大きな夢となってしまいました。
失礼いたしました。

「平B式BIM導入法」は、山形雄次郎の考案です。